灸治療とは

灸治療とは、乾燥させた蓬(ヨモギ)の葉からなる艾(モグサ)を燃焼させ、その温熱を利用した治療法です。

当院では、構造上ヤケドの心配が極めて少なく、熱刺激の柔らかい『温灸』を使用しています。

効果としては、増血作用(赤血球増加・血流改善)や、免疫機能の向上(白血球増加)などがあります。

灸は特に冷えを伴う症状に効果的なので、寒いこの季節にオススメです。

【余談】
「灸」は約三千年前の古代中国の北方地方に端を発し、鍼や湯液などの伝統中国医学として、遣隋使や遣唐使(600~894年)により日本へ渡ってきたと言われています。

徒然草に「40歳以上の者は三里に灸をすると、のぼせ(高血圧)を引き下げる」とあったり、奥の細道では「三里に灸すゆるより」と旅路での足の疲れを癒すなど、灸は庶民的な民間療法としても伝わっていきました。

「灸」という言葉が、子供などを強く叱る意味の「灸を据える」「○○にお灸」など、お仕置き・制裁などの例え(隠喩)として残るのは、民間療法として一般的だった証です。

※90年頃までは、新聞記事などに「汚職○○に厳しいおキュウ」などと書かれたこともありますが、「お灸は東アジアの伝統的な優れた医療であり、こうした意味に使われるのは好ましくない」と、日本鍼灸師会が主張し現在は使われなくなりました。

鍼灸師として灸に悪いイメージをもたれることは困りますが、だんだんと家庭で灸が行われなくなり、灸離れが進むのはとても寂しいです・・・ 

日本の気候や日本人の体質にもよく合うお灸、その良さを治療を通じて再認識してもらえるよう努力しています!

(2012-01-19 アメブロ鍼灸指圧マッサージ レストより再掲)