東洋医学とは

    東洋独自の民族医学を「東洋医学」と呼んでいます。 これには中国・インド・朝鮮・日本などの伝統医学が含まれ、特に古代中国の医学が優れており、日本でも広く普及しました。 今の日本で東洋医学といえば鍼灸(物理療法)と漢方(薬物療法)を意味しています。 【余談】 当院で行っている全身治療(全体のバランスを調整)も東洋医学の思想が大きく影響しています。 しかし、東洋医学の思想や用語はちょっと分かりにくいのですよね・・ これから少しづつ取り上げていくので、よかったらチェックしてみて下さい。(^-^)/ (2012-02-13 アメブロ鍼灸指圧マッサージ レストより再掲)

    鍼はなぜ効くのか

    針治療の原型は石器時代の古代中国で発明されたと言われています。 現在では、主に中国医学の理論に基づいて「経穴」(ケイケツ)というツボを中心に皮膚・筋肉に対して刺激を与える方法が一般的です。 鍼の刺激は脊髄から脳へ伝わり、自律神経系(交感神経・副交感神経)、内分泌系、免疫系等に働きかけます。 自然治癒力が向上すると「内臓機能の活性化・血液やリンパ液循環の改善・痛みやコリを和らげる」など作用があります。 古来から『未病治』という予防医学として発達した技術、現代人のさまざまな症状にも効果があります。 (2011-12-08 アメブロ鍼灸指圧マッサージ レストより再掲)

    灸治療とは

    灸治療とは、乾燥させた蓬(ヨモギ)の葉からなる艾(モグサ)を燃焼させ、その温熱を利用した治療法です。 当院では、構造上ヤケドの心配が極めて少なく、熱刺激の柔らかい『温灸』を使用しています。 効果としては、増血作用(赤血球増加・血流改善)や、免疫機能の向上(白血球増加)などがあります。 灸は特に冷えを伴う症状に効果的なので、寒いこの季節にオススメです。 【余談】 「灸」は約三千年前の古代中国の北方地方に端を発し、鍼や湯液などの伝統中国医学として、遣隋使や遣唐使(600~894年)により日本へ渡ってきたと言われています。 徒然草に「40歳以上の者は三里に灸をすると、のぼせ(高血圧)を引き下げる」とあったり、奥の細道では「三里に灸すゆるより」と旅路での足の疲れを癒すなど、灸は庶民的な民間療法としても伝わっていきました。 「灸」という言葉が、子供などを強く叱る意味の「灸を据える」「○○にお灸」など、お仕置き・制裁などの例え(隠喩)として残るのは、民間療法として一般的だった証です。 ※90年頃までは、新聞記事などに「汚職○○に厳しいおキュウ」などと書かれたこともありますが、「お灸は東アジアの […]

    肺とは

    肺について(五行論の“金”に属する) 肺は気の原料となる精気を取り込んだり、「津液」の代謝や免疫機能を司ります。 また、不要なものを体外へと放出したり、病原体を体表部で防御するバリアとしての役割も担っています。 肺の働きが低下し免疫力が落ちると、皮膚の不調や咳・鼻づまりや便秘などの症状が表れやすくなります。 私たちは、花粉症などのアレルギー疾患で起きるくしゃみや鼻水、アトピーなどの皮膚トラブルは「肺」が深く関わると考えます。

    あん摩と指圧の違い

    あん摩(按摩)は中国で生まれ、日本に伝来した後、奈良時代から盛んに行われるようになりました。本来東洋医学でいう気血や経絡というツボのルートの変調を調整する目的でスジに沿ってアプローチします。 一方、指圧はアメリカから伝来したカイロプラクティックなどの手技療法の影響を受けて発展した比較的新しいもので、筋肉や神経、内臓機能を調節する目的で押すことの圧反射によって体の自然治癒力を活性化させる手技療法です。 あん摩が全身の流れを促すように身体を『揉み・さする』のに対して、指圧は硬いコリに対して主に『親指でじっくり押す』のが特徴です。 現在では、「あん摩」よりも「指圧」と書かれた看板を見かけるようになりましたが、それは現代のストレス社会の影響で、あん摩が主流だった頃よりコリがより強固になっているからかもしれませんね。   (2012-03-02 アメブロ鍼灸指圧マッサージ レストより再掲)  

    マッサージとは

    「マッサージ」はフランス語ですが、ギリシャ語のマッシー(揉む)、アラビア語のマス(押す)などが語源とされます。 オイルやタルク(粉)などを用いて、末端から心臓に向かって直接皮膚に施術することにより、静脈・リンパの循環の改善を目的にした手技療法です。 主にスポーツ後の筋肉の疲れをとったり、ストレスの解消に効果があります。 古くは紀元前の医聖・ヒポクラテスも重んじたもので、世界各地で、タイ式、スウェーデン式・・など様々なマッサージが行われています。 現在では、あん摩や指圧もひっくるめてマッサージと称されることが多いです。 また、これら3手技は様々な流派があり、受ける側の体質や、刺激の好みに応じて向き不向きがあるので最適な療法を取り入れると良いでしょう。 (2012-03-05 アメブロ鍼灸指圧マッサージ レストより再掲)

    気・血・津液(水)とは

    東洋医学で体のしくみや病気を考える時の概念に「気」「血」「津液(水)」という3つの要素があります。 「気」  - 目に見えない生命活動のエネルギー。 「血」  - 血液とその働きや循環作用。 「津液」 - 体液など体内に存在する血液以外の水分。 気・血・津液はお互いに影響しながら、体内を絶えず巡ることで健康を維持しています。 東洋医学では「気・血・津液」のバランスが崩れると、体に不調が現れると考えます。 どこのバランスが崩れたのかを調べたり、体質を見きわめることが、治療法を決定したり養生のアドバイスへとつながっていきます。 次回からは、「気・血・津液」それぞれの詳しい説明をしていきます。   (2012-03-14 アメブロ鍼灸指圧マッサージ レストより再掲)

    血(けつ)とは

    血は現在でいう血液にあたりますが、少し違いもあります。 血は脾胃で飲食物を消化して生成され、気(エネルギー)によって全身に運ばれます。 血は栄養源となり骨や筋肉を丈夫にしたり、髪や肌などを潤したり、熱を運んだりします。 血が不足したり、滞ったり熱がこもると様々な症状を引き起こします。 血(けつ)に関する症状の例 1、血虚(けっきょ)=血の不足   →目がかすむ、筋肉のけいれん、めまい、不眠、手足のしびれ… 2、血熱(けつねつ)=血に熱がこもる   →発熱、鼻血、口渇、吹き出もの… 3、血瘀(けつお)=血の滞り   →肩こり、便秘、月経痛、肌のくすみ… 血と気はお互いに密接な関わりがあり、血の問題であっても気をしっかり巡らせる事が重要になります。

    津液とは

    「津液」とは、 「気」や「血」とともに体を構成する要素です。 一般的に「気・血・水」と言われる“水”のようなものではありますが、正確には体内にある血液以外の水分を「津液」と言います。 津液の働きは・・・ 細胞に栄養を届ける。 汗や尿となり余分な熱や老廃物を体外に排出。 涙や鼻水となって異物を体外へ排出。 関節内の滑液となって関節の動きをなめらかにする。 鼻や口の粘膜や皮膚の潤いを保つ。     津液が不足(陰虚)の場合・・・ 目や唇が乾燥傾向となり、不眠や便秘になりやすい。 体に余分な熱が残りやすく、熱感や寝汗を伴う事もある。  津液が過剰(湿)の場合・・・ 汗や鼻水が多く出たり、頭が重い、体がだるい、下痢、胃に水が溜まった感じ、などの症状が出やすい。さらに雨や湿度の高い日は体調が悪くなりやすい。  津液が過剰(湿熱)の場合・・・ 暑がりで汗っかき、胸の苦しさ、吹き出物などの皮膚疾患がおきやすい。湿が体内の余分な熱と結びつき、様々な病気を引き起こす。

    陰陽論(いんようろん)とは

    「陰陽論(いんようろん)」とは、この世の全てのものを「陰(いん)」と「陽(よう)」という対立した2つの性質に分ける古代中国の哲学思想です。 「陰」・・夜の月のように静かで暗く冷たい状態。 「陽」・・昼の太陽のように動的で明るく熱い状態。 陰と陽は優劣の関係を変化させてバランスを保っています。 人間の体内でも陰陽の関係があり、そのバランスが良い状態が健康の条件です。 また、病気の性質も陰陽に分けることができます。   【陰陽の分類例】       「陰」  水   月   夜   冬   地 (自然)       |   |   |   |   |       「陽」  火   太陽    昼   夏   天       「陰」  女   お腹  下半身     血 (身体)       |    |    |      |       「陽」  男   背中  上半身     気              「陰」  休息    滋養    鎮静 (状態)       |    |   |       「陽」  活動    消耗   興奮   陰と陽は正反対の性質を持 […]